「気」の曖昧さを解消し、健康管理に客観性をもたらしたデバイス

O-リングテストは便利だが常に曖昧さがつきまとう

今回の事例の主人公は、会社役員のAさん(50代)。

Aさんは多忙なビジネスの傍ら、健康管理への意識が高く、一般的な医療だけでなく気功や波動といった代替医療分野からも学びを取り入れています。

食品や製品の体への影響をチェックするために、Oリングテスト(二人一組で指の力をテストする手法)を日頃から活用されていました。

しかし、Aさんには長年の不満がありました。

  1.  ご自宅で奥様に指を引っ張ってもらいテストをしてもらうものの、奥様の力の加減や体調で結果が変わり、どうも判定がはっきりしない。
  2.  健康セミナーなどで講師がデモをしても、「力加減を操作しているのでは?」という疑念が拭えず、テスト結果に納得できない。
  3.  市販のバネ式テスター(セルフOリングテスター)も試したが、アナログなため判断材料としては不十分だった。

こういったテストの曖昧さから脱却できないだろうか
  ——これが、Aさんが抱えていた課題でした。

Aさんがこの課題を私にご相談くださったきっかけは、たまたま同じセミナーに参加していたことでした。
そのセミナーでも講師がOリングテストでデモを行っており、セミナー後にそのことが話題となり、私がニッチなモノづくり相談を受けていることを紹介させていただき、この課題を解決するデバイスを作ってみようということになりました。

従来の形に縛られない、デジタル化へのアプローチ

私はAさんからOリングテストの仕組みと理想形をヒアリングしました。
従来のOリングテストの課題は「二人一組で引っ張る」という手法そのものに人間由来の曖昧さが入ってしまう点です。

そこで以下のような発想の転換を含めた開発に取り組むことになりました。

  • 課題解決のアイデア:  
     従来の「引っ張る」方式にこだわる必要はない。指で押す力を計測し、その最大値をデジタルで表示すれば、一人で客観的なテストが可能になる。
  • 技術的な実現性:  
     小型で高精度の感圧センサーとマイコンを組み合わせ、持ち運べるサイズで、押圧のMax値を瞬間的にホールドして表示させるシステムを構築する。

これにより、「誰かに頼む必要がなく」「力の曖昧さがない」客観的なセルフテストの実現に道筋が見えました。

誕生 手のひらサイズの「O-Ring Meter」

この解決アイデアに基づいて試作と調整を重ね、手のひらサイズのデジタルOリングテスター 「O-Ring Meter」を開発しました。

本デバイスは、指で押し込んだ際の最大押圧(Max値)を瞬時に記憶し、kg 単位で数値表示します。

<主な仕様>

  • 計測方式: 指による押圧計測
  • 表示:   デジタル液晶(kg 単位の最大値ホールド表示)
  • サイズ:  70 x 30 x 15 mm
  • 内蔵バッテリー、USB充電可能
  • Auto Power OFF 。5秒でMax表示リセット、10秒で電源OFF

このテスターを使い始めたAさんからは「長年の曖昧さが、客観的で明確になった」と満足の声をいただきました。

「信じる」から「確認する」健康管理へ

O-Ring Meterを活用することで、Aさんの健康管理は改善しました。

  • 日々の健康管理に活用:
     自身の体調が良い時の基準値を把握し、それと比較することで、わずかな体調の変化を客観的な数値で捉えられるようになりました。
  • 相性をチェック:
     Aさんが関心を持つ食品を製品を左手に持ち、右手のセルフテストで数字を確認してチェック。感情や期待に左右されることなく、定量的に体との相性を判断できる材料を得ました。
  • 関係先への波及:
     Aさんは気功の施術院の先生にもこのテスターを紹介。先生からも「施術前後のチェックに客観性を持たせられる」と好評を博しています。

<この事例から得られた成果>

  • ニッチなニーズの具現化:
     既存市場に存在しない、特殊な健康管理ニーズに対応。
  • 計測技術の応用:
     センサーとマイコン技術を、代替医療という特殊な分野の客観化に応用。

あなたの抱える「ニッチで特殊な課題」もATPWORKのモノづくり力で解決できる可能性があります。
課題やアイデアを聞かせてください。